先日、初めて入った本屋さんでとても新鮮な体験をしました。その本屋さんの規模は町中の普通の本屋さんという大きさで、特に品揃えが豊富だとか、神楽坂の入り口の深夜プラス1のようにあるジャンルに特化しているというわけでもありません。本当に普通の本屋さんでした。
でも、そこで文庫本の棚を眺めていて、この本屋さんが普通でない事に気がつきました。なにが普通でないかと言うと、その本屋さんでは本の並べ方が完全に作者の名前順になっていたのです。
一見、当たり前のように感じる人もいるかと思いますが、私の近所の本屋ではまず、出版社別になっていて、その中で日本人の作家が名前順になっているなんてパターンがほとんどです。
それが、日本人だろうが外国の翻訳物だろうがを問わず、出版社も区別せず単純にあいうえお順に並べられていたのです。
この方法だと、ある作家の作品が複数の出版社によって出ている場合などに非常に便利です。私の大好きな宮部みゆきでも、「あっ、こんな作品もあったんだ。」といううれしい発見があったりします。
でも、それよりも何が新鮮だったかというと、全然見たことも無い本がいっぱいあるんです。
何度も言うようですが、この本屋さんは決して規模が大きいわけではありません。本の数は普通です。それじゃ、なんでこんな事が??!。
ちょっと考えて、気がつきました。いつも本屋さんに行くと足は自然にハヤカワ文庫や創元推理文庫の方に。その後で、他の棚に移っても平積みの本を見るのが中心でじっくり棚を見ていく事なんてしていませんでした。結果、ただの背景となって目の前を通り過ぎていた本がたくさんあったのです。
それが、この本屋さんのおかげで自分の普段見ないジャンルの本が目に入って来たのです。
そこで思いました。もしかしたら、いやきっとうちのお店でも単に背景になってしまっている家具がたくさんあるに違いない。実際、単に展示場所を変えただけでも 「ずいぶん新しい物が入ったわね。」 なんて言われる事もあるんですから。これをきっかけに新しいくくりでの展示を考えてみようと思いました。
ちなみにその本屋ではレイ・ブラッドベリと梁石日の本を買ってきたのですが(いつもとかわらん)、名前順とはわかっていてもブラッドベリの隣にレイモンド・チャンドラーがあるのにどうしても違和感があって困りました。
家具を選ぶのに何が一番重要でしょうか。 色、形、機能、価格などさまざまな要素が考えられます。
でもなんといってもサイズは最も重要な事項のひとつでしょう。いくら気に入った家具があっても、それを置くお部屋に合ったものでないと家具が主人公になって生活が不便なんて事にもなりかねません。
そんな事もあって、家具を置かれるスペースの寸法を測ってご来店するお客様が増えて来ています。でも、その寸法をめぐっての悲喜こもごもが起きちゃったりするんです。これを読んでいるお客様も以下の点に注意して行くといいですよ。
(その1)
お部屋の壁と他の家具とのスキマに置く家具を探していて、ギリギリのサイズの家具が見つかりました。寸法から言うと絶対大丈夫だ、とお客様。でも、納品するとギリギリ入らない。1cmぐらいの余裕があったはずなのに。
こんな時の原因は、お部屋の壁と床との境についている巾木の存在を忘れているときが多いのです。巾木の厚みは約1cmぐらいあります。壁から測るとこの厚み分足りなくなる事が。
(その2)
玄関の壁下部がタイル貼りになっているようなお家で、やっぱりこの部分が巾木みたいにでっぱってるのがたまにあります。これは3,4cmぐらいの厚みがある場合が多いため、これを頭に入れて来る場合が多くあります。
それで、下駄箱が土足の部分に入りきらないからと、片方を玄関に乗せて片方だけ脚をつけてくれと言う場合。でも、この場合は逆に無理と思っていても大丈夫な場合があるのです。
それは、脚付きの下駄箱の場合に限るのですが、たいていその脚は本体よりやや内側についています。玄関の壁のでっぱりがこの脚のへっこみにうまく収まって、あきらめていたのがうまくいくのです。でも、特注で脚をつくっちゃったりするとそれが無駄になる事も。
(その3)
箱物(タンスや食器棚等)は、奥行きの感覚がある程度しっかりあるのですが、以外とわからないのがソファーの奥行きです。浅い奥行きのものでも80cmほど、大きいものだと100cm近くまであります。それで、置く場所の幅だけ考えて、前にどのくらい出てくるかが掴めず、
えっ、こんなにTVに近くなっちゃうの とか、応接テーブルを置くと通るところがなくなっちゃう とかいう事態に。
座面の奥行きが、占めるスペースに思えてしまうみたいで、60cmぐらいの奥行きだと思われている方がよくいらっしゃいます。実際は背もたれの厚みがそれに加わるわけです。
その他にも、いろいろありますが、とりあえずサイズを測るときの参考にして下さい。
最近、某O家具の影響か、「輸入家具はおいてありますか。」と良く聞かれます。バブル崩壊以後、安い食堂セットやソファ等はほとんど東南アジア製ですので、国産品しか置いてない家具屋は皆無に近いと思いますが、この場合の輸入とは、欧米からの、と判断して返事をしています。
ヨーロッパやアメリカのもの、という点では当店はほとんど展示がありません。当ホームページの表紙の写真を見てもわかっていただけるかと思いますが、当店では、日本人のためにデザインされた家具を中心に、和風のテイストも大事にしています。若い人が純和風の飾り棚を買われていって、お届けにあがったら洋室にサイドボード代わりに配置してその見事なマッチングに感心したりした事もあります。
と、前置きが長くなりましたが、最近お店にお見えになるお客様で
「前に輸入家具を買って失敗した。」
というお客様が増えています。この場合の輸入家具とは欧米のと言う事です。その原因の8割以上は、
「サイズが合わなかった。」「足がつかなくて長く座っていると疲れてしまう。」
との事。最近では、日本向けのサイズで作ってくる欧米のメーカーもありますが、一般的に日本製に比べるとサイズがちょっと大きめの事があります。でも、お店で購入するときに座ったりしているはずなのに、サイズが合わないのは??
その理由は、
店では靴を履いているが、使うときは靴を履いていないという点です。
ほんの数センチの靴底の厚みが使い勝手を全く違ったものにしてしまいます。
ですから、家具屋さんに行って、椅子やソファに座った時はできるだけ靴を脱いで座ってみるか、それが嫌なら底の薄い靴で行くかにしてみて下さい。
厚底ブーツなんか履いて行った日にはカウンター椅子がピッタリ・サイズになっちゃうかもしれないもんね。
最近の家のほとんどは和室がひとつぐらいであとはすべてフローリングという部屋構成がほとんどです。必然的にお食事はダイニングで食堂椅子に座ってという形で、畳の上で座卓や卓袱台でというのは、お客様をお招きした時とかに限定されます。
フローリングのダイニング・ルームに食堂セットというパターンの時、お客様がもっとも気にされるのが、椅子をひいたりする時に、床に傷がつかないかという点です。そこで、当店ではお望みに応じてサービスで椅子の脚の裏にフエルトをおつけしています。
「サービスでつけてくれるんだったら、お望みに応じてなんて言わずに皆につけてやればいいだろう。」
と、思われるかもしれません。でも、つけた方が良い時とつけないほうがいい時があるのです。
つけた方がいい時は、フローリングの床に直に食堂セットを置く場合です。椅子の出し引きもスムーズになるし音もしなくなります。
つけない方がいい場合は、カーペットをひいた上に食堂セットを配置する場合です。フエルトとカーペットがこすれあって椅子を引くのが大変になり、接地面に毛玉などがつきやすくなってしまいます。何もつけない方がスムーズです。
と、いう事でだいたいは、フローリングの上かカーペットの上かを確認すれば問題はないのですが何にでも例外はあるようで。先日、フローリングの上で使うというお客様がいらっしゃたのでフエルトをつけようとした所、すべるとあぶないからといってゴムシートを貼ってくれと言われました。食堂椅子の脚の裏ひとつをとっても奥が深いんです。
少しでもコストを下げるためか、もしくは少しでも高級品に見せかけるためか、無垢材(本当の木)とプリント化粧板(木目を印刷したものが表面に張ってあるもの)が混合されて作られている家具が多数あります。よくあるパターンは前から見える部分(扉や引出の前の部分等)に無垢材を使って横の部分は化粧板という組み合わせです。
これはこれで予算が無い人には選択肢を増やしてくれるのでいいとは思うのですが、一つだけ注意していただきたい事があります。それは、白木調や色のうすい家具の場合です。
以前に、白木の家具は材料の善し悪しが塗装で隠せないので値段が高くなると書きましたが、それを逆手に考えると白木の家具ほど、プリントの部分を増やせばコストを落とせる事になります。 現在の印刷技術は大変進歩していますので、無垢材とプリント化粧板が混ざっていても違和感はほとんどありません。値段を考えたらお買い得かなとも思ってしまうでしょう。
でも、以下の事を忘れないで下さい。
木は年月が経つとやけて色が濃くなり、印刷した部分は年月が経つと色がとんで白っぽくなっていくのです。
結果、何年か経った時には、無垢の部分とプリントの部分が全く違ってしまい、とても変になってしまいます。これが濃い色のものだと不思議と木の部分とプリントの部分がそんなに差がでたりはしないんです。
ですから、白木調の家具を買われる時は、無垢材とプリント化粧板の使われてる場所や比率に注意して見て下さい。冗談じゃなくて、いっそ全部プリントの方が色の差がでなくて良かったんじゃないの、というような例を何度か見たことがあります。
人間でも、あの時はこんな体型じゃなかったのにこんなに変わっちゃったてのがありますもんね。でも、その場では何年後かの姿なんて考えもしないんですよね。
家具を買うきっかけにはお祝い事がからむものが多くあります。結婚をして新生活を始めるための家具、新しく家を建てたので家具も新しくする、新入学で机を買う等々。
そんな時、納品日は大安の日で、等と暦を選ばれるお客様が大勢いらっしゃいます。
ある時、来年の6月の日曜日の暦を調べる必要ができました。普通なら暦がついたカレンダーを見れば済んでしまうのですが、まだ手元に来年のカレンダー(暦付き)が無い。さんざん知恵を絞ったあげく、必殺技を思いつき無事に大安かどうかを知る事ができました。
一見、規則的に
先勝−友引−先負−仏滅−大安−赤口
と繰り返されているようでいながら時々、それが乱れる。そこに何か規則性を発見できれば必殺技を使わなくても未来の暦がわかるかもしれない。
そう思った僕は、暦について調べてみました。するとそこにはびっくりする事実が!!
暦というのは、1月1日は先勝だとか3月3日は大安だとかすべて決まっていたのです。但し、これは旧暦での事で、現在の太陽暦と旧暦との対応関係がその年によってずれるので太陽暦だけ見てるとランダムになってるように見えていたのでした。それはまるで、昔ベーシックでプログラムを書くとき、テーブルから数値を読み出して疑似乱数を作りだしてたのを思い出させるような発見でした。
結局、太陽暦と太陰暦の関係は毎年、理科年表とかを調べないとわからないので、暦一発方程式はあみだせませんでした。
えっ、暦を知る必殺技って何だったのかって?
それは結婚式場に電話をしてこう言うのです。
「来年の6月あたりに挙式したいと思うんですが、大安の日はいつですか。」って。
T殿の予約係の方、申し訳ありませんでした。二度目の式を挙げる予定はありません。
店に入って6年、プロ野球を生で見に行かなくなってしまいましたが、サラリーマン時代には東京ドーム(後楽園球場)の「日本ハムvs近鉄」戦、西武球場の「西武vs近鉄」戦を良く見に行っていました。「近鉄vsロッテ」戦を見に日生球場に行ったこともあったっけ。 そうです。私はBuffaloesのファンだったのです。
閑話休題(それはさておき)、今日はソファー等で使われる革のお話を少々。
ソファーに使われる本革はほとんどが牛革ですが、それにも実はいろいろあるのをご存じでしょうか。
「この革は本革?それとも合成皮革?」
そのくらいしか、気にしない方が大部分ではないでしょうか。でも牛革でもいくつか種類があるのです。銀面(表皮)がついているかどうかとか、なめし方がどうかとか、加工過程でのいろいろもあるのですが、牛の種類でCowかBuffaloeかという大きな差があります。よく折り込みチラシに載っている本革の安いソファはBuffaloe(水牛)の革です。Cowは生前、草原で草をハムハムしていたのに対して、水牛は文字通り沼地や川等の水の中へバシャバシャはいるので、皮膚がゴワゴワ、カサカサになってしまいます。自然、皮革になった状態で比較してもやわらかさが違ってきてしまいます。
えっ、うちの水牛の革はやわらかいよっ、て?
それは柔らかいんでなくて薄いんです。柔らかく感じさせるためにCowの革よりも厚さまで薄くしてしまう事もあるそうです。質の悪い革を更に薄く使って作ったソファー。確かに値段は安いかもしれませんが、どうでしょうか。
野球は近鉄Buffaloesが良くても、ソファーはちょっと?でしょう。最近は野球よりも浦和レッズの結果ばかり追っている私ですが、近鉄バファローズの活躍をお祈りしています。梨田監督、プロ野球12球団で唯一、日本一になった事の無い球団を今年こそなくして下さい。
店の方にお越しいただけない遠くのお客様に電子メールにて商品の提案とお見積もりをする機会がありました。その中にソファーもあって、商品の写真をどうやって送ろうかと考えました。
「見積もりはエクセルでいいとして、商品の写真をどうしようか」
と考えました。スキャナーは持っていませんので、カタログをデジカメで撮ろうと考えましたが、その時、ピンとひらめきました。
「このメーカーは去年の春にホームページを開設したはずだ。お気に入りにも登録してある。できたての時に見にいった時に、新製品の写真が載っていた。自分がお客様に勧めようとしているのは今年の新作だ。新製品情報のページを見れば画像ファイルを取り込めるはずだ。それをコピーしてお客様に送ろう(もちろん画像を使う許可はもらわないといけませんが)。」
そう思ってその家具メーカーのホームページに飛び、新製品を見ました。
ガーン、そこには去年の春の新製品が。
なんと、開設以来更新された形跡がありません。
結局、カタログをデジカメで撮影して送りましたが、そこで自分を振り返りました。賢者の石以外はほとんど更新してないな、と。
ホームページはどの部分をどんな人が利用するかわかりません。お店の場所以外はできる限りまめに更新しなければと思った体験でした。
最近、新聞を読んでもテレビを見ても介護に介する事が無い日はありません。日本は世界中でもはじめに超高齢社会に突入していくそうです。
そんな関係か、家具にも介護の事を考えたものや高齢者の使用を考慮したものが増えて来ました。その中で食堂椅子と車椅子を足して2で割ったような椅子がいろいろとでてきました。違和感が無いように食堂椅子と同じ木、同じ張り地を使って作った椅子に大きめのキャスターと足のせ台、後ろから押せるように持つ部分がついているような物です。基本的にはどのメーカーでも似たりよったりだなと、ある時までは思っていました。でも、そのある時をさかいに使えそうな椅子と使えそうにない椅子がはっきり見えてしまったのです。
そのある時とは、私が介護のセミナーを受けたときです。そのセミナーでは寝たままで着替えをさせる方法やベッドから車椅子に乗せ替えたりする実習を行いました。体験者が男同士という事もあり、寝ているのを車椅子に乗せ替えるのはかなりの力がいります。乗せ替える車椅子の足のせをあげてその間にしっかりと足を踏ん張って体勢を整えないと自分もよろけてしまいます。
使えない椅子、使える椅子の差はこの点なのです。足のせが左右に跳ね上げられるものとそうでないものとあるのです。

車椅子の足のせは左右に跳ね上がる(下手な絵でごめんなさい)。
足のせが左右でなく後ろに跳ね上げるタイプのものは、足を椅子の中に突っ込んで踏ん張れないので椅子に乗せる時に自分も乗せる人の方に倒れてしまいます。体験して初めて気がつきました。
でもこれは、私が敏感だったのではなく、体験すれば誰でも気がつく事だと思います。と、言うことは設計者が頭の中でデザインしたのか、体を使ってデザインしたのか、わかってしまうという事です。
というわけで、商品を選ぶときは値段だけでなくその背景も聞いてみて下さい。気がつかない大事な点があるかもしれません。
入荷したらご連絡を入れて品物を取りに来ていただくお客様が、ご連絡を入れてから約2週間たって品物を取りにいらっしゃいました。そして、品物をお客様の車に積んだときに次の様に言われてしまいました。
「本当は、もっと早くとりにこれたけど、怒っていたからすぐには取りにこなかった。」
ちょっと、ショック。いったい何が悪かったのか見当がつきません。困惑した顔をしていたら理由を教えてくれました。
それには、ちょっと説明が必要なのですが、実はそのお客様はオーストラリアから来ている女性のお客様で、いつも家にいないので入荷したらFAXを入れる事になっていました。曰く
「Dear Sir, は女性に対して失礼です。Ma'am(Madam)を使いなさい。」
正直言って、Sir が男性に対してしか使えないなんて全然知りませんでした。敬語のつもりで使った
Dear Sir、が全く裏目に出てしまいました。決して男性と間違えた訳ではないのですが、そう解釈していただけなかったようで。
中途半端な知識は危険だと感じました。この欄に載せるものはできるだけ裏をとって書こうと思いますが間違いもあるかと思います。軽い読み物として読んでいただけるようお願い致します。